第六天神社の基本情報
詳細情報
御由緒
第六天神社は、中部~関東地方に多く祀られている。富士地域にも多い。信仰の本源や広まった経緯は詳らかでないが、江戸期までは仏教の「第六天魔王」を祀っていた。かの、織田信長が自称したという天魔である。 第六天魔王は、欲界六天の最上位(第六天)に住まう。他人の楽事を、自在に自らのものにでき、「他化自在天」とも称される。寿命は1万6,000歳をほこり、その身の丈は6km。男女問わず交淫・受胎させることができるという。……げにうらやましい。 仏教系の祭神であることから、布教には修験者が関わったと考えられ、『富士市の神社』には「長寿・結婚の守護神として広められた」とある。おそらく、そうであろう。 明治期の神仏分離時、第六天神社の多くは、祭神を神道系の面足尊・惶根尊――神世7代の第6代にあたる夫婦神――へ書き換えられた。 ところが富士地区では、高皇産霊神・伊邪那岐神の2神となった。弓沢町の第六天神社をはじめ、法人登記している2社(山本、比奈山ノ根)、未登記および他社に合祀された社(沼田新田、黒田→田中神社、星山→倭文神社、川成島→浅間神社、比奈→御崎神社、間門→浅間神社など)のいずれも。 高皇産霊神・伊邪那岐神が選ばれた理由は詳らかでない。 (補足:岩本実相寺に魔王堂があり、ここはいまも第六天魔王を祀っている)