法王山 岩之上堂の基本情報
詳細情報
御由緒
岩之上堂は、江戸時代から今に続く旧家、内田家の個人所有(現在16代目)である。武州鉢形城落城後、内田家の祖先がこの地で堂守となった。その名のとおり荒川河岸の崖上にあり、観音堂は三間四面方形造りで流れ拝向を付けている。本尊の聖観世音菩薩は、平安時代の作と伝えられ、優美で穏やかな姿をしている。現在の観音堂は江戸中期の造営と思われるが、元禄年間に内陣の補修、宝永年間に彫刻の補修を経てきたもので、唐模様系統の建築で優美な造りである。昔、川向こうに住む母の安否を尋ねて増水した荒川を渡ろうとした孝行息子を、この岩之上堂の聖観音が童子に化身して舟を漕ぎ渡してくれたといわれている。