薬王院の基本情報
詳細情報
文化財
本堂 国指定重要文化財 本尊薬師如来、十二神将立像、仁王門 茨城県指定有形文化財 仁王門(仁王像)、五輪塔 水戸市指定重要文化財
御由緒
吉田山神宮寺薬王院は、関東で唯一の青蓮院直末の天台寺院である。 平安初期に桓武天皇の勅願所として建立されたと考えられるこの寺は、常陸三の宮の吉田社の神宮寺として国家安全の祈祷をつとめ、この地方の豪族である常陸大掾氏と密接な関係をもって、その帰依と同時に保護をうけてきた。 鎌倉時代以降、栄智・広海・成珍と相承したが、なかでも成珍は、税所氏の養子となった石河忠成の孫で師僧都と尊称され、山本郷・吉田郷を相伝し、一分地頭として鎌倉幕府の御家人的な立場になっていた。このようにして鎌倉幕府とのつながりが深くなるとともに神宮寺は「公家・武家兼帯の御祈祷所」として次第に吉田社の支配から離れ、独立したあゆみを進めるようになった。