萬願寺の基本情報
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御由緒
呉湾を一望に見下す三登山(観音山)に朱塗の伽藍あり。後の山の緑の中に二十四米の五重塔そびえ、前面の海、呉の八景に入る。元海軍鎮守長官藤田中将の「山秀水清」の碑あり。慶長元年水野重政の中興の碑境内に在り、呉市屈指の古刹である。 御本尊は夜なき観音、又は焼のこりの観音と云い、前者は今を去る二百五十年前に盗難に合い、村人広島に探しもとめるに城下の店前によく似たお姿を見つけたる処、その店の五・六才の娘、毎日夕方になると宮原に帰りたいと泣くに家人心配したる由つげたれば村人非常に喜び、旧七月九日に再び迎えたるとか、又其後火災に遇い本堂灰燼に帰すも御本尊が約一町奥の泉の中に全身黒こげにて入っておられたとのこと、現に黒こげの台座あり。